NHK番組【ためしてガッテン】では、腰痛改善として紹介された筋膜リリース。
筋膜リリースってそもそもなんなの?
マッサージとは違うの?
とりあえずローラーでコロコロはしているよ。
このように筋膜リリースをきちんと理解せずに、とりあえずでやっていませんか?
きちんと理解せずにやってしまっていたら、期待できる効果を得られていない可能性があります。
筋膜リリースで得られる効果は大きく分けて5つ。
- 筋肉の柔軟性アップ
- 関節の可動域アップ
- 姿勢改善
- 筋意識アップ
- 筋緊張の緩和
筋膜リリースはしなやかな体を作るためには必須のボディケア。
筋膜リリースを正しく理解することで、上記の効果が短時間で効率よく得られます。
筋膜はとても繊細なため、きちんと理解して行わないと痛みの原因や状態が悪化してしまいますよ。
都内某フィットネスクラブで300名以上のクライアントに筋膜リリースの指導を行ったわたしが、「筋膜リリースとはなんなのか」「筋膜リリースで得られる効果」について解説していきます!
筋膜とは
筋膜リリースを説明する前に、まずは筋膜を理解する必要があります。
筋膜とは名前の通り、筋肉を包んでいる膜のこと。ボディースーツのように全身を覆っています。
筋膜は、浅筋膜(せんきんまく)・深筋膜・筋外膜・筋周膜・筋内膜と5種類が層になっています。
セルフ筋膜リリースでアプローチするのは、皮下脂肪の下にある浅筋膜です。
筋膜は8割以上が水分。
厚さ1㎜程度の超薄い膜のため、普段のかたよった体の使い方や、長時間同じ姿勢で過ごすこと(座りっぱなし・立ちっぱなし)が原因で簡単によじれたり絡まったりしてしまいます。
筋膜リリースとは
筋膜リリースは筋膜はがしとも言われます。
「膜を剥がす」と聞くとなんか痛いイメージがありますよね。
ですが実際の筋膜リリースは、水和といって筋膜の水分バランスをならすことで筋膜の状態を良くします。
ライスペーパーは全体がバランスよく水分をふくむことで、きれいに具材を包み込むことができます。
一部だけが水分をふくみ、カラカラの状態があると具材を包むことはできませんよね。
このように、バランスの悪い水分をならしてあげるのが筋膜リリースです。
伸び縮みしにくくなった筋膜は、ケアをしなければどんどん悪い状態になっていきます。
そのため、日々のリリースが必要なのです。
筋膜リリースで得られる5つの効果
冒頭でもお伝えしましたが、筋膜リリースをすることで得られる効果は5つ。
それぞれ詳しく解説していきますね。
筋肉の柔軟性アップ
筋膜リリースをすることで、筋肉の柔軟性がアップします。
筋肉は、筋膜に包まれています。弾性を失った筋膜に包まれた筋肉は、当然同じように伸び縮みしにくくかたくなってしまうのです。
そのことから、筋肉を柔らかくしたいなら、まずは筋膜からアプローチすることが大切ですね。
筋肉の柔軟性がアップすると、しなやかな体の動きが可能になり、女性らしい体が手に入ります。
また筋肉が大きく動けることでの代謝アップにも繋がりますよ!
筋膜リリースをする前後で前屈をしてみて!
違いにビックリするよ!
関節の可動域アップ
筋膜リリースをすることで、関節の可動域もアップします。
なぜならば、関節の可動域を制限するのは筋肉のかたさ。前述した筋肉の柔軟性を戻してあげることで関節の可動域も広がります。
同じように、関節の可動域をあげるためには筋膜からアプローチする必要があるでしょう。
筋膜のかたさで関節の動きが悪くなると、腰や肩に痛みがでることも。
姿勢改善
筋膜リリースをすることで、姿勢改善にもつながります。
普段のかたよった体の使い方で、筋膜が癒着しかたくなった筋肉は、骨をも引っ張ります。
骨は本来の位置や角度をキープできずに、悪い姿勢が定着してしまいます。
筋膜がかたい状態で骨の調整をしても、すぐに悪い状態に戻ってしまうでしょう。
そのことから、美姿勢を手に入れたいなら筋膜からアプローチするのがおすすめです。
わたしは筋膜リリースのおかげで反り腰が改善したよ!
筋意識アップ
筋膜リリースで、筋意識を上げることができます。
筋意識を上げるというのは、筋肉のスイッチをオンにするという意味です。
かたよった体の使い方で動きにくくなった筋肉は、スイッチがオフになってしまい、いくら意識をしても動かすことが難しくなります。
筋肉は、関節を動かすことで伸び縮みします。
普段のかたよった体の使い方により、正しい使い方を忘れてしまっているのです。
筋膜リリースは関節を動かさなくてもその筋膜・筋肉に刺激を与えアプローチすることが可能。
例えば、ヒップアップのためにお尻のトレーニングをしたい。
トレーニングの前にお知りに対して筋膜リリースを行うことでトレーニング時にお尻を意識しやすくなります。
筋膜リリースをすることでトレーニングの効果があがるね!
筋肉の緊張緩和
筋膜リリースは筋肉の緊張を緩和します。前述した筋意識アップの逆で、筋肉のスイッチをオフにすることもできるのです。
筋肉は、過度に使いすぎたり負担がかかると緊張します。
その筋肉に対し筋膜リリースを行うことで、筋肉をリラックスさせスイッチをオフにすることができるのです。
例えば、筋肉の無駄な張りによって太く見えてしまっている脚。
筋肉のハリが原因で太く見えているかも?
筋膜リリースをすると、筋肉の無駄な張りがとれボディラインが変わります。
セルフ筋膜リリースの方法
筋膜をリリースには、圧迫・転がす・こする・ゆらすが有効です。
冒頭でもお話した通り、筋膜リリースはセルフでも簡単にできるボディケアです。
セルフでの筋膜リリースの方法を解説していきます。
手を使う
筋膜リリースは専用の道具を使わずに、自分の手で行うことが可能です。
手を使った筋膜リリースの方法は、こぶしを作って圧迫したり、こすることができます。
また、つまんで揺らすことも簡単。
自分の手を使った筋膜リリースは、強さの調整がしやすいのがいいところ。
ですが、自分の手を使うことで肩や腕に余計な力が入ってしまいやすい点は注意が必要です。
わたしは鎖骨付近や前腕のリリースがクセになってるよ。
道具を使う
最近は筋膜リリース用のアイテムも続々登場しています。
道具を使うメリットは、余計な力を使わずに簡単に筋膜リリースができること。
自分のライフスタイルにあったアイテムを用意して、効率よく筋膜リリースを行いましょう。
ボール
ボールを使った筋膜リリースは、ピンポイントでの圧迫やローリングが可能です。
ボールは道具の中で一番コンパクト。
持ち運びがしやすく、デスクに置いておけばすぐに手に取ってボディケアができるのもいいですよね。
手軽なボールですが、ポイントで圧迫した際に点で力が加わります。
圧迫した部位がかたすぎたり、力が強すぎると痛みを生じることがあるので注意が必要です。
筋膜リリースには、ゴルフボールやテニスボールなどを使用するのも可能。
筋膜リリース用に作られたボールは、リリースボールやマッサージボールなどとも呼ばれ、筋膜リリースに最適なかたさや大きさにこだわって作られています。できれば専用のものを準備するのがおすすめです。
- 【2in1】これ1つでケアもトレーニングも可能
- くすみカラーでインテリアの邪魔をしない
- あるだけで可愛いからモチベーションがあがる
フォームローラー
フォームローラーは、「筋膜リリースをするならとりあえずこれをもっておけ!」ってくらい定番で万能なアイテムです。
フォームローラーでは、圧迫、ローリング、こする、揺らすすべて可能。
普段の姿勢でかたまりやすく、でも自分ではケアがしにくい背面が、フォームローラーを使えば簡単にリリースできます。
ローラーは筒型のものや、足裏用やふくらはぎ用などのポイントで使用できるものもあります。
立体的な筒状のため少し場所をとりますが、まずは全身使えるフォームローラーを持っておくのがおすすめです。
- 初心者~上級者までのすべての方におすすめ
- 表面のかたさ・突起の形状・筒の大きさパーフェクト
- 迷ったらこれを選んでおけば間違いなし!
マッサージガン
最近人気がぐんぐん上昇しているのが、マッサージガン。
マッサージガンは、自分の力では不可能なスピードと細かい振動で筋膜にアプローチすることが可能。
余計な力を使わずに、簡単に筋膜リリースができます。
その名の通り、ピストルのような形をしているので、自分ではなかなか力を入れずらい肩のケアにも最適です。
「気になる部位にあてるだけ」という手軽さから、長時間やりすぎてもみかえしのような痛みが出てしまった方もいましたので注意が必要。
- 頭・顔・体すべてこれ一つでケアが可能
- アタッチメントが豊富
- 手にフィットする小型タイプ
筋膜リリースのポイント
筋膜リリースの効果を得るためには、時間や頻度などポイントをおさえることが大切です。
一回あたりの時間
筋膜リリースは1部位1回あたり長くて1分で十分です。
筋膜は1㎜程度の超薄い膜。
長時間行ってしまうと逆に癒着につながってしまうのです。
例えば、ふくらはぎ1分やったらもも裏1分、前もも1分など、長くても1分でリリースする部位を変えることがおすすめです。
フォームローラーに長時間乗せっぱなしは逆効果!
筋膜リリースの頻度
筋膜リリースは、最低でも毎日行うのが効果的です。
筋膜は、体の使い方のクセで簡単にかたくなってしまいます。
筋膜リリースは歯磨きと一緒!
毎日歯を磨いていても、歯垢はたまります。
そのままにしていては虫歯になったり状態が悪化してしまいますよね。
そのため、筋膜リリースは最低でも1日1回は習慣化できるといいでしょう。
筋膜リリースのタイミング
筋膜リリースを行う適切なタイミングは、筋肉のスイッチをON・OFF切り替えるとき。
例えば以下のようなタイミングがあげられます。
ONにするタイミング
- 朝起きた後
- 運動前
OFFにするタイミング
- 夜寝る前
- 運動後
タイミングと筋肉のON・OFFを間違えてしまうと、ケガのリスクや睡眠の質の低下につながります。
筋肉のスイッチをオンにするときは、リリースの速度は早め。刺激は強め。
逆に、筋肉のスイッチをオフにするときは、リリースの速度はゆっくり。刺激は弱めで行いましょう。
タイミングと目的が違えば、リリースの方法も変わるよ!
筋膜リリースの適切な強さ
筋膜リリースの適切な強さの基準は呼吸です。
呼吸が止まってしまうと、筋肉が緊張してしまいうまくリリースできません。
筋膜リリースをおこなうときは呼吸を大切にしましょう。
また、強い痛みがある場合は圧の調整が必要です。
何度も言いますが、筋膜は超薄い。
セルフでの筋膜リリースは、比較的浅いところにある浅筋膜にアプローチします。
そのため、強さはそれほど必要ありません。
筋肉がかたい人や、筋膜の状態が悪いときも痛みを感じることがあります。
ローラーなどはタオルで包んであげたり、かたい床の上ではなくヨガマットやベッドの上で行うことで圧の調整ができますよ。
呼吸が止まらない強さでリリースしよう!
「筋膜リリースとは?筋膜リリースで得られる5つの効果」についてのまとめ
- 筋膜は超薄い膜で超繊細。
- しなやかで美しい体を手に入れたいなら筋膜リリースは必須。
- 筋膜リリースは手や道具を使って、セルフでできるボディケア。
- 筋膜リリースを毎日の習慣に。
不調が出にくい体、理想のボディに近づくためには筋膜リリースは必須。
最後にもう一度、筋膜リリースのポイントをおさらいし、今日から取り組んでみてください。
筋肉は鍛える前に整えろ!!